部屋の記憶

ここには誰もいない

 

時間が横たわっているだけ

そこにある机は 誰かが使っていたものだろうけれど

それがいつのことだったかなんて

知ってる人は もうどこにもいない

 

冷たい壁も

同じようにして 誰かがいつか触れたかもしれないけれど

それがいつのことだったかなんて

知ってる人は もうどこにもいない

 

記憶が宙に浮かんでいる

そのうちのひとつから声が聴こえる気がするけれど

そんなはずはないよな