まだ知らない夏
最近よく夢をみる
思い出そうとするそばから忘れていく感覚と寝ぼけた頭で戦って
あきらめたみたいに洗濯機をまわす
朝ごはんをつくっても つくり終わったころにはもう満足してしまっていて
食べることが作業のようになってしまう朝がある
今年の家の前のちいさなお祭りに、ちいさな亀はいなかった
祭りのあとの夜中の屋台が好きだ
昼間の喧騒が聞こえてくるような静寂
私にはやっぱりまだ知らない夏
もてる力ぜんぶ 使いきってしまうくらいの日々を
私たちいつか忘れてしまうなら
何ができるだろう
そんなことを考えている